自動車ハッキングのリスク 本当のところ - 名古屋大学 高田教授に聞く | ScanNetSecurity
2026.10.20(火)

自動車ハッキングのリスク 本当のところ - 名古屋大学 高田教授に聞く

セキュリティ業界では何年も前から、自動車ECUのハッキングやコネクテッドカーのハッキングが行われ、検証実験レベルでは現実のものとなっている。報道されるハッキング実験はたいてい成功しているのだが、本当に自動車は危ないのだろうか。

脆弱性と脅威 脅威動向
「どういったポリシーでセキュリティ技術を取り込んでいくかロードマップが重要」 名古屋大学 高田 広章 教授
「どういったポリシーでセキュリティ技術を取り込んでいくかロードマップが重要」 名古屋大学 高田 広章 教授 全 1 枚 拡大写真
セキュリティ業界では何年も前から、自動車ECUのハッキングやコネクテッドカーのハッキングが行われ、検証実験レベルでは現実のものとなっている。報道されるハッキング実験はたいてい成功しているのだが、本当に自動車は危ないのか。

●現実のハッキング事件はまだ起きていない

業界では、過去に制御システムセキュリティやIoTセキュリティが話題になったように、これまでサイバー空間(インターネット)に接続されていなかった自動車がコネクテッドカーや自動運転カーになることで、サイバーセキュリティ対策が急務であることは自明といっていいだろう。

しかしその一方で、自動車については、Webカメラがマルウェアに感染するような現実の攻撃事例は(幸いにも)まだ発生していない。これまで話題になっているフォード、プリウス、クライスラー、日産、テスラなどのハッキングは、研究者の実験環境による攻撃で、BlackhatやDEFCONのようなセキュリティカンファレンスで発表されたものだ。

この事実をもって、「走行中の実際の車がハッキングされたわけではないのであまり騒ぐ必要はない」とするのは危険だが、間違った認識で対策を怠っていると攻撃者に足元をすくわれてしまう。現状を正しく認識するためこの問題を振り返って考えてみたい。

組込みシステム用のリアルタイムOS、車載システムの権威である未来社会創造機構 教授、および名古屋大学教授の高田広章氏へのインタビュー取材で得られた知見を交えながら、自動車業界のセキュリティ対策の現状と課題を整理してみたい。

なお、高田教授は、国産リアルタイムOSであるTOPPERSの主宰を務め、古くはμITRON開発を率いていた。TOPPERSはITRONカーネルの成果をベースとしており、μITRONは、国内では90年代から2000年代初頭にかけて、カーナビ、携帯電話、ECUのOSとしてデファクトスタンダードだった。

教授は、名古屋大学では組込みシステム研究センター長も務める。IT関係では、日本のインターネットの前身のひとつ東京大学TINETの構築に携わり、古くからWIDEメンバーとのつながりがあり、オライリーメディアの書籍「DNS & BIND」は高田教授が翻訳監修を行っている。組込みシステム、制御システム・IoTに関連して、情報セキュリティについても造詣が深い。
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《中尾 真二》

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