電子投票マシンの脆弱性、中間選挙で使用された実機検証で発見された不審な痕跡とは
近年、選挙でも問題になるのがサイバー攻撃だ。投票結果の改ざん、議員スキャンダルを狙ったもの、関連した諜報活動や選挙妨害。これらはいまやサイバー攻撃でも行われる。米大統領の中間選挙が迫るなか、あらためて投票とサイバー攻撃について考えたい。
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米国では、下院議員(全員)と上院議員の 3 分 1 の改選が 2 年ごとに行われる(州知事選も同じ時期)。これが大統領の任期4年の中間にあたり、実質的な国民の政策評価であり大統領の信任にもなり、さらに 2 年後の大統領選までの大きなマイルストーンと位置付けられている。いわゆる中間選挙と呼ばれるものだ。
●前回の大統領選で疑われた電子投票端末
トランプ大統領が選ばれた中間選挙( 2012 年)でも、電子投票端末( DRE )による投票で不正があったのでは、という疑惑もあった。使われていた端末が、Service Pack さえ適用されていない Windows XP で、Wi-Fi が WEP で有効になっていたり、端末のパスワードが「abcde」だったりと散々な仕様だったことから、投票結果の改ざんが懸念されたのだ。
この DRE は、2003 年から 2015、6 年ごろまで全米で 4,000 台ほど使われていたが、脆弱性の指摘などもあり 2015 年に公式に廃止機種となった。コペンハーゲン IT 大学の Carsten Schuermann 准教授は、問題の DRE を何台か入手、独自に調査・解析を行い、今夏開催された Black Hat USA 2018 において、解析結果報告と、DREによる投票の注意点を解説する講演を行った。
《中尾 真二( Shinji Nakao )》
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