スマートホームコントローラーの脆弱性を発見、社員宅で実証(カスペルスキー) | ScanNetSecurity
2024.04.19(金)

スマートホームコントローラーの脆弱性を発見、社員宅で実証(カスペルスキー)

カスペルスキーは、スマートホームコントローラーの重大な脆弱性を複数発見したと発表した。

脆弱性と脅威 脅威動向
株式会社カスペルスキーは7月4日、スマートホームコントローラーの重大な脆弱性を複数発見したと発表した。7月1日にKasperskyが発表したプレスリリースの抄訳として発表している。同社の調査チームは、次々に新たな製品が登場するスマートホーム向けIoT機器の継続調査のため、同社社員宅のスマートシステムに脆弱性がないかを検証した結果、複数の重大な脆弱性を発見したという。

調査チームは、情報収集段階で攻撃経路を検討し、ホームオートメーションに広く採用されている「Z-Wave」という無線通信プロトコル、管理パネルのWebインタフェース、クラウドインフラストラクチャをその候補に挙げた。その後、デバイスからの要求に対する処理方法を調査したところ、認証プロセスに脆弱性があり、リモートコード実行される恐れがあることが判明した。

これらを組み合わせることで、システム上では何の権限も持ってない第三者が、FIBARO社のコントローラー「Home Center Lite」からクラウドにアップロードされたすべてのバックアップへのアクセス、および感染したバックアップをクラウドにアップロードして特定のコントローラーにそのバックアップをダウンロードさせることが可能であった。

調査チームは、コントローラーのファームウェアアップデータにスクリプトを仕込み、デバイスの所有者である社員にクラウド経由で更新通知のメールとSMSを送信、社員は感染したアップデータをダウンロードした。これにより調査チームはスマートホームコントローラーのroot権限を取得し、システムの操作が可能になった。侵入成功の証明として、調査チームは目覚まし時計のアラーム音を変更し、大音量にしたという。

《吉澤 亨史( Kouji Yoshizawa )》

関連記事

特集

PageTop

アクセスランキング

  1. 東芝テックが利用するクラウドサービスに不正アクセス、取引先や従業員の個人情報が閲覧された可能性

    東芝テックが利用するクラウドサービスに不正アクセス、取引先や従業員の個人情報が閲覧された可能性

  2. 転職先で営業活動に活用、プルデンシャル生命保険 元社員 顧客情報持ち出し

    転職先で営業活動に活用、プルデンシャル生命保険 元社員 顧客情報持ち出し

  3. バッファロー製無線 LAN ルータに複数の脆弱性

    バッファロー製無線 LAN ルータに複数の脆弱性

  4. Windows DNS の脆弱性情報が公開

    Windows DNS の脆弱性情報が公開

  5. 「引っかかるのは当たり前」が前提、フィッシングハンターが提案する対策のポイント ~ JPAAWG 6th General Meeting レポート

    「引っかかるのは当たり前」が前提、フィッシングハンターが提案する対策のポイント ~ JPAAWG 6th General Meeting レポート

  6. プルーフポイント、マルウェア配布する YouTube チャンネル特定

    プルーフポイント、マルウェア配布する YouTube チャンネル特定

  7. セキュリティ対策は株価を上げるのか ~ 株主総利回り(TSR)の平均値は高い傾向

    セキュリティ対策は株価を上げるのか ~ 株主総利回り(TSR)の平均値は高い傾向

  8. 山田製作所にランサムウェア攻撃、「LockBit」が展開され複数のサーバのデータが暗号化

    山田製作所にランサムウェア攻撃、「LockBit」が展開され複数のサーバのデータが暗号化

  9. 東京高速道路のメールアカウントを不正利用、大量のメールを送信

    東京高速道路のメールアカウントを不正利用、大量のメールを送信

  10. フュートレックにランサムウェア攻撃、本番環境への侵入形跡は存在せず

    フュートレックにランサムウェア攻撃、本番環境への侵入形跡は存在せず

ランキングをもっと見る