Microsoft Windows において AppXSvc でのジャンクションの取り扱い不備により任意のファイルの権限が変更可能となる脆弱性(Scan Tech Report) | ScanNetSecurity
2025.10.27(月)

Microsoft Windows において AppXSvc でのジャンクションの取り扱い不備により任意のファイルの権限が変更可能となる脆弱性(Scan Tech Report)

019 年 9 月に、Microsoft Windows において、任意のファイルの全アクセス権限を取得することが可能となる脆弱性が報告されています。

脆弱性と脅威 エクスプロイト
Microsoft Windows
Microsoft Windows 全 1 枚 拡大写真
◆概要

 2019 年 9 月に、Microsoft Windows において、任意のファイルの全アクセス権限を取得することが可能となる脆弱性が報告されています。脆弱性を悪用されてしまった場合は、管理者権限でしか操作できないファイルを悪意のあるものに上書きされてしまったり、管理者権限でしか閲覧できないファイルを閲覧されてしまう可能性があります。セキュリティ更新プログラムの適用によって対策してください。

◆分析者コメント

 管理者権限でしか操作できないようなファイルのアクセス権を得ることが可能となる脆弱性ですが、書き換えるファイルによっては管理者権限で任意のコードを実行することが可能であるため、権限昇格に悪用され得る脆弱性です。本記事執筆時点 (2019 年 9 月 17 日) で公開されているエクスプロイトコードは、ファイルのアクセス権限を書き換えるのみですが、SYSTEM 権限でのコード実行まで可能なエクスプロイトコードが公開される可能性が高いため、早期の対策を推奨します。

◆深刻度(CVSS)

[CVSS v3.1]
7.8
https://nvd.nist.gov/vuln-metrics/cvss/v3-calculator?name=CVE-2019-1253&vector=AV:L/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H&version=3.1

[CVSS v2]
7.2
https://nvd.nist.gov/vuln-metrics/cvss/v2-calculator?name=CVE-2019-1253&vector=(AV:L/AC:L/Au:N/C:C/I:C/A:C)

◆影響を受けるソフトウェア

 以下のバージョンの Microsoft Windows が当該脆弱性の影響を受けると報告されています。

  - Microsoft Windows 10 Version 1703
  - Microsoft Windows 10 Version 1709
  - Microsoft Windows 10 Version 1803
  - Microsoft Windows 10 Version 1809
  - Microsoft Windows 10 Version 1903
  - Microsoft Windows Server 2016 Version 1803
  - Microsoft Windows Server 2016 Version 1903
  - Microsoft Windows Server 2019


◆解説

 Microsoft Windows に、Windows AppX Deployment Service (AppXSvc) によるジャンクション (ソフトリンク) の検証不備を悪用して、任意のファイルの全アクセス権限を取得することが可能となる脆弱性が報告されています。

《株式会社ラック デジタルペンテスト部》

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