複数のBGP実装に不正なBGP UPDATEメッセージ取り扱いの問題 | ScanNetSecurity
2024.05.15(水)

複数のBGP実装に不正なBGP UPDATEメッセージ取り扱いの問題

IPAおよびJPCERT/CCは、複数のBGP実装に対して、BGP UPDATEメッセージに不正なPath属性情報が含まれている場合の処理に関する問題が報告されていると「JVN」で発表した。

脆弱性と脅威 セキュリティホール・脆弱性

 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)および一般社団法人JPCERT コーディネーションセンター(JPCERT/CC)は9月21日、複数のBGP実装に対して、BGP UPDATEメッセージに不正なPath属性情報が含まれている場合の処理に関する問題が報告されていると「Japan Vulnerability Notes(JVN)」で発表した。

 BGPは、AS間の経路制御のために広く使用されている経路制御プロトコルである。RFC4271では、UPDATEメッセージの処理でエラーが発生した場合、当該メッセージを受信したBGPセッションをクローズするよう規定されていた("session reset")。

 その後、この挙動は運用上影響が大きいということで、BGPセッションをクローズするのではなく、エラーとなったUPDATEメッセージに含まれる経路をwithdraw扱いにする("Treat-as-withdraw")、との更新を規定するRFC 7606が発行された。

 これにより、BGPプロトコルに対応するネットワーク機器において、悪意を持ったBGPオペレータによって不正なUPDATEメッセージを流された場合、"session reset" の挙動を示すBGPルータがBGPセッションをクローズし、当該セッションを通じて交換されていた経路情報が無効にされる可能性がある。

 いくつかのBGP実装では、本件に関する挙動を設定により変更可能とする対応が行われている。JVNでは、使用機器の情報を確認するよう呼びかけている。

《吉澤 亨史( Kouji Yoshizawa )》

関連記事

特集

PageTop

アクセスランキング

  1. 範を示す ~ MITRE がサイバー攻撃被害公表

    範を示す ~ MITRE がサイバー攻撃被害公表

  2. 脆弱な DMARC セキュリティ・ポリシーを悪用、北朝鮮スピアフィッシング詐欺

    脆弱な DMARC セキュリティ・ポリシーを悪用、北朝鮮スピアフィッシング詐欺

  3. 東急のネットワークに不正アクセス、連結子会社のファイルサーバでデータ読み出される

    東急のネットワークに不正アクセス、連結子会社のファイルサーバでデータ読み出される

  4. 東京メトロ社員が遺失者になりすまし、現金総額 235,458円 ほか遺失物着服

    東京メトロ社員が遺失者になりすまし、現金総額 235,458円 ほか遺失物着服

  5. 「マルカワみそ公式サイト」に不正アクセス、カード情報に加えログイン用パスワードも漏えい

    「マルカワみそ公式サイト」に不正アクセス、カード情報に加えログイン用パスワードも漏えい

  6. ランサムウェア被害の原因はスターティア社の UTM テストアカウント削除忘れ

    ランサムウェア被害の原因はスターティア社の UTM テストアカウント削除忘れ

  7. TwoFive メールセキュリティ Blog 第14回「いよいよ6月、メルマガが届かなくなる…!? ~ メルマガ配信している皆さん ワンクリック購読解除の List Unsubscribe対応は済んでますか?」

    TwoFive メールセキュリティ Blog 第14回「いよいよ6月、メルマガが届かなくなる…!? ~ メルマガ配信している皆さん ワンクリック購読解除の List Unsubscribe対応は済んでますか?」

  8. テレ東「ヤギと大悟」公式 X アカウントが乗っ取り被害、意図しないポストが数件行われる

    テレ東「ヤギと大悟」公式 X アカウントが乗っ取り被害、意図しないポストが数件行われる

  9. ランサムウェア「LockBit」被疑者の資産を凍結し起訴

    ランサムウェア「LockBit」被疑者の資産を凍結し起訴

  10. 豊島のサーバにランサムウェア攻撃、復旧済みで業務に影響なし

    豊島のサーバにランサムウェア攻撃、復旧済みで業務に影響なし

ランキングをもっと見る