AWS シャドーリソース攻撃とは | ScanNetSecurity
2026.01.23(金)

AWS シャドーリソース攻撃とは

AWSアカウントについて、脆弱性を研究したエンジニアがいる。Aqua Securityの研究者(Yakir Kadkoa氏、Michael Katchinskiy氏、Ofek Itach氏)が、AWSアカウントに関する脆弱性とそれを利用することで成立するAWSのシャドーリソースを使った攻撃方法を発見した。

研修・セミナー・カンファレンス セミナー・イベント
Aqua Security:Yakir Kadkoa氏
Aqua Security:Yakir Kadkoa氏 全 6 枚 拡大写真

 AWSアカウント(IAM アカウント)は秘密情報か? これは長年議論の的になっているトピックのひとつだ。AWS の公式見解は「扱いに注意すべきだが秘密情報ではない」としている。アカウント名やログイン ID は、悪い人間に知られて良いことはないが、そもそも秘密情報としての運用設計がなされたものではない。

 では、アカウント名にはどのような脆弱性があるのだろうか。AWS アカウントについての脆弱性を研究したエンジニアがいる。Aqua Security の研究者(Yakir Kadkoa 氏 、Michael Katchinskiy 氏、Ofek Itach 氏)が、AWS アカウントに関する脆弱性とそれを利用することで成立する AWS のシャドーリソースを使った攻撃方法を発見し、詳細を BlackHat USA 2024 で発表した。本稿では同講演をベースに要点を紹介する。

●AWSのシャドーリソースとは?

 AWS をはじめとするクラウドプラットフォームにおいて、最初の突破口は正規ユーザーのアカウント情報、またはシステムが認証プロセスで利用するセキュリティキーや認証キーだろう。この情報を得るため、フィッシングやリスト攻撃は進化を遂げてきた。とくにフィッシングメール、フィッシングサイトはほぼ日常の光景となってしまった感がある。だが、システムの埋もれた脆弱性やトリッキーなハッキング手法を使った攻撃もいまだ健在である。 Black Hat USA での発表はまさにこうした「ハッキングらしいハッキング」の事例だった。

 この攻撃のポイントは、AWS におけるシャドーリソースの存在だ。たとえば「シャドー IT」は、システム管理者やセキュリティ部門が把握できない私物 IT 機器のことを指す。セキュリティ対策視点では、これらは排除すべきものだが、クラウド環境、リモートワークのような現状を考えると、可用性の面から受け入れざるを得ないのも事実だ。

 AWS のシャドーリソースとは、AWS のサービス機能や仕様によって(ほぼ)暗黙のうちに生成されるシステムリソースやインスタンスのことだ。ユーザーの介入なしに生成され、多くは通知や告知もない。AWS の場合、ユーザーはほぼシステム開発や運用を担当するエンジニアだ。情シス部門の担当者であることもある。つまり、AWS が自動的に生成するリソースは把握できない点でシャドー IT の要件を備えていることになる。


《中尾 真二( Shinji Nakao )》

関連記事

この記事の写真

/

特集

PageTop

アクセスランキング

  1. Linux カーネルでの TLS プロトコル通信処理の不備に起因する境界外メモリアクセスの脆弱性(Scan Tech Report)

    Linux カーネルでの TLS プロトコル通信処理の不備に起因する境界外メモリアクセスの脆弱性(Scan Tech Report)

  2. 大企業の 66.8 %がセキュリティ不備を理由に取引停止や契約更新を見送る しかし取引停止された中小企業は景気悪化等が理由と誤認識

    大企業の 66.8 %がセキュリティ不備を理由に取引停止や契約更新を見送る しかし取引停止された中小企業は景気悪化等が理由と誤認識

  3. 興和江守でランサムウェア感染、取引先への受注出荷業務に遅滞

    興和江守でランサムウェア感染、取引先への受注出荷業務に遅滞

  4. 関西総合システムにランサムウェア攻撃、クラウドサービスへの影響はなし

    関西総合システムにランサムウェア攻撃、クラウドサービスへの影響はなし

  5. 沖縄県立看護大学にランサムウェア攻撃、教務支援システムが利用できない状態に

    沖縄県立看護大学にランサムウェア攻撃、教務支援システムが利用できない状態に

ランキングをもっと見る
PageTop