十代のハッカー、深刻な脅威となる(英国放送協会)
英国放送協会(BBC)制作の人気調査番組『Panorama』は7月3日の放映で、LOVEウイルスにまつわるミステリーを解明し、政府や世界貿易にとって十代のハッカーが深刻な脅威となり得ると警鐘を鳴らした。
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フィリピン国家捜査局は6月下旬にコンピュータ単科大学の元学生をLOVEウイルス散布の容疑で起訴したが、同番組はLOVEウイルスの作成及び散布に深く関わったとされている十代ハッキング・ギャングの一人Michael Buenにインタービューを試みた。
Buenはウイルスを作成するだけの技術を持っていないと主張し、一貫して関与を否定していた。しかし『Panorama』のレポーターは、LOVEウイルスが発生する前にアンチウイルス・ソフト開発会社Sophos社により発見されたウイルスをBuenに提示して彼の主張を覆した。そのウイルスには、BuenのCV(curriculum vitae:履歴書)のコピーと共に次ぎのようなメッセージが含まれていた。“警告!もしも私が今月末までに安定した職に就けなかったなら、全フォルダーを消去する第3のウイルスを撒き散らすだろう”。
Sophos社の技術担当上級顧問Graham Cluley氏は、そのウイルスに関して「Buenが作成したものだろう。そしてLOVEウイルスについては、おそらく彼の仲間の一人が作成したと考えている」と述べた。さらに、ハッカーを特定することは非常に困難であるとし「作者のCVが含まれているウイルスなど滅多にない。そんな馬鹿なウイルス作者はBuenが初めてだ」と語った。
そして同氏は、LOVEウイルスの容疑者が現在、フィリピンで一躍著名人となり、その影響でコンピュータ・コースを履修登録する若者が増加していると述べ「若者の間でウイルス作成は格好いいことだ、という風潮が広まっている」と懸念を示した。
このインタビューが7月3日に放映された後、Buenのもとに数社から仕事の依頼がきたという。
《ScanNetSecurity》