元CIA長官、機密情報の入ったディスクを紛失(米国防総省)
米国防総省によると、米中央情報局(CIA)の元長官John Deutch氏が日誌の保存に使用していたフロッピーディスクを紛失し、未だ発見されていないという。その日誌は、同氏が1990年代半ば国防総省の副長官在任中に付けていたもので、機密情報も含まれている。また、同氏
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CIAは、Deutch氏が国家機密情報を記した個人的な日誌をつけていた事実を知り、捜査に乗り出した。同氏はCIAの捜査に協力し、国家機密情報を含んだメモリーカードを誤って紛失したことについて今年(2000年)の初めに謝罪した。そして今年の2月、CIAに押されるような形で国防総省も捜査に着手した。同氏がCIA時代に使用していたメモリーカードは発見されたが、国防総省時代の日誌を記したディスクは未だ見つかっていない。国防総省はディスクの紛失が国家安全にどのような危機をもたらすのか現在、調査している。
国防総省の報告書によると、同氏は問題のフロッピーディスクをシャツのポケットに入れて持ち歩いていた。また、国防総省は同氏の自宅のコンピュータにセキュリティ・システムをインストールするよう求めたが、同氏はその要請を拒否した。同氏はしばしば自宅のコンピュータでインターネットに接続していたという。紛失したディスクの件について、同氏はコメントを拒否している。
今回の事件を担当した国防総省の捜査官は、コンピュータ・セキュリティに対する国防総省のずさんな管理態勢を指摘し、懸念を示した。例えば過去に、国防総省の元高官が使用したコンピュータを学校に寄付したことがあった。しかし、そのコンピュータのハードドライブの中身は削除されておらず、捜査官が調べたところ国防総省の重要な情報を引き出すことが可能だったという。コンピュータを処分する際、ハード・ドライブの取り扱いに関する明確な規定は現在もない。同報告書は、国防総省で使用したコンピュータを処分する際は、事前に全てのコンピュータのハード・ドライブの内容を破壊するよう明文化し規定すべきだと提言している。
《ScanNetSecurity》