セキュリティホールへの対応姿勢
シャープのメビウスの一部機種にプリインストールしてあるメール着信ユーティリティのセキュリティホールについて前々回の記事[1]で紹介したが、その後その不具合を修正するプログラムがシャープより11月23日に公開された[2]。該当機種のユーザは必ずこの修正プログラ
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このセキュリティホールについて筆者から報告を受けたシャープは、この問題の公表、当面の回避策の公開、修正プログラムの提供のスケジュールを約束していた[3]。修正プログラムはセキュリティホールの公表以後二週間以内とアナウンスされていたが、シャープはこれを違わず実行した。このことは大いに評価されるべきだと思われる。
[セキュリティ評価]
セキュリティホールの詳細情報を公開すべきか、一部だけの極秘情報として留めるべきかという議論はこれまでも度々繰り返されており決着はまだついていない[4]。しかし、例えばCERTは今年10月9日からソフトウェアに関するセキュリティ欠陥の報告を受けてから原則として45日後にその技術的詳細を公開するようになった[5]。CERT(Computer Emergency Response Team)は特定の個人や組織の利益を保障することを目的とせず、コンピュータセキュリティインシデントに関する一般的な情報提供する団体で、世界でも最も信頼されているセキュリティ情報機関の一つだ[6]。このCERTの方針によって、セキュリティホールを公開する方向に世界の趨勢は傾きつつある。
セキュリティホールが発覚すれば、そのシステムのセキュリティ評価は下げられねばならない。CC(Common Criteria)[7]等のシステムのセキュリティレベルの評価においては脆弱性のテストが行われている[8]が、それは既知の方法で検証された結果でしかない。セキュリティホールの発覚、修正プログラムの公開などによってセキュリティ評価は動的に変わると考えるべきだ。セキュリティホールが知られてから修正プログラムが出るまでの期間が長いようなサポートしかされないようなシステムは当初の評価がいくら高くても実質的には意味がない。
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http://www.office.ac/
[1] https://www.netsecurity.ne.jp/article/3/1247.html
[2] http://www.sbc.co.jp/mebius/info.asp
[3] http://www.firewall.gr.jp/mlarchive/html/fw-wizard/2000/11/msg00007.html
[4] http://www.zdnet.co.jp/news/0007/27/blackhat.html
[5] http://www.zdnet.co.jp/news/0010/10/cert.html
[6] http://www.cert.org/
[7] http://csrc.nist.gov/cc/
[8] http://jnetwww.jeida.or.jp/committee/security/SecJ/info/WS1106/
詳しくはScan本誌をご覧下さい。
http://www.vagabond.co.jp/scan/
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