EU スパム対策法を支持 | ScanNetSecurity
2026.01.13(火)

EU スパム対策法を支持

Tim Richardson
2004年1月23日 10:15 GMT

国際 海外情報
Tim Richardson
2004年1月23日 10:15 GMT

 新スパム対策法が英国に導入されてから 1ヶ月以上経った。しかし依然として、ジャンクメールを十分に阻止しないのではないかという批判の声が上がっている。

 ある専門家は、違反者への罰金 5000 ポンドを "抑止力としては不十分" と指摘し、さらに(EU 全体の規則の一部として)新法を支持している人たちでさえも、このスパム対策が実際に効果があるのかと危ぶんでいる。

 この EU スパム対策法の解釈および執行方法は、各国に任されている。例を挙げると今週の初め、デンマークはスパムメールをファックスで送信した電子通信のハードウェア会社に対して罰金 3万7000ポンドを科した。

 他方、英国では下級判事裁判所が扱う事件となった場合、スパマーに科せられる罰金は、最高で 5000 ポンドだ。さらに、スパマーに対して法的措置を起こす手続きは極めて煩雑且つ厄介で、法廷に持ち込むまで少なくとも 1 年はかかるだろう。

 英国でスパム対策法の執行を司る政府機関 Information Commissioner は、同法が施行してから 1 ヶ月間に寄せられた苦情の数を明らかにせず、「厳しい苦情が多数、寄せられた」と言うに留まった。英国内でこのスパム対策法を機能しないと断言している人たちがいるのも肯ける話しだ。

 他方、その新法を意義のある第一歩だと評価する人たちもいる。

 情報通信技術に特化した広報コンサルタント Political Intelligence の EU 政策責任者 Joe McNamee 氏はこの新法に関して、スパム問題の完全な解決にはなっておらず、依然として問題が山積していることを認めた。その上で、人々が事前にスパム電子メールの受信に同意しない限り電子メールの送信を違法とする新法について、ある程度の抑止力になり得ると評価した。

「この新しい EU の法律はスパムメールだけに留まらず、より広い視野に立ち公正な価値判断で理解する必要がある」と同氏は本誌に語った。

 以下に同氏のコメントを記す。

「新スパム対策法があまり支持されていない、と言うのは当っているだろう。事実、私が目にした殆どの記事は、同法が機能しないという見解だった。私見だが、この問題には 3 つのポイントがあると思う。建設的な意見を述べるより単に批判することの方が簡単だが、私は敢えて、完全に片方の立場に立つディベートのやり方ではなく、ある程度両者のバランスを考慮しながら説明して行きたいと思う。

 スパム対策法に効力がない、というのが批判側の言い分だ。つまり、インターネットのボーダレスな性質により、地域あるいは国の法律を適用するのは不可能だということだ。司法の管轄外で発生する侵害行為の法律に対しては、どうすることもできないのである」

●スパム対策法は効力がない

「多くの人たちがスパム対策法を効力がないと言う。しかし、私はここでポイントを整理したいと思う。一方的に送りつける商用電子メールを不法とする最近の法律は、スパム電子メールのみに適用されるのではなく、あくまでの一方的に送りつける全ての商用電子通信に適用される法律だ。SMS、MMS などを介して受信するスパムメールがどれくらいの量になるのか考えたことがあるだろうか? さらに、防護対策が取られていない場合、SMS、MMS などを介して送信される膨大なスパムメールの量はどれくらいになるのか?

 私にとって、モバイルのスパム対策に取り組むべきか否かの問題は、問うまでもないことだ。その規制に失敗すると、モバイル市場の開拓に深刻な翳りを落とすことになり、ひいてはモバイル技術の導入を阻む要因となる恐れがある。結果、その分野全体に損害を与えることになるだろう。これは、モバイル市場業界自身が認識していることであり、同業界は消費者が全てのモバイルのメッセージ・プログラムに対して "オプト・イン" 方式にすべきだとする見解を支持している。

 一方的に送りつけられる電子通信の法律を策定する際、直面する難問に対して 3 つの選択肢が議員に提示された。

 1 つ目は、問題を無視して介入しない。これは明らかに現実的ではなく、議員の政治的な勇気、リーダシップ、前向きな思考を欠くものだ。

 2 つ目は、新法を "技術別" に策定することだ。具体的には、電話、ファックス、電子メール、SMS、MMS、インスタント・メッセージ(IM)などに対し各々の規則を策定する。しかし問題は、そのような方法を採った場合、技術別の規則を統合して適用することは不可能だということだ。例えば、IM から SMS への通信、もしくは電子メールから SMS への通信のように異なるプラットフォーム間の場合はどのように処理したらよいのか? さらに、法律の骨子の策定から法令集に至るまでの法制化に要する間に、新しい技術が開発される可能性もある。従って、技術別規則の導入はあり得ない。


[情報提供:The Register]
http://www.theregister.co.uk/

[翻訳:関谷 麻美]

(詳しくはScan本誌をご覧ください)
http://www.ns-research.jp/cgi-bin/ct/p.cgi?m-sc_netsec

《ScanNetSecurity》

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