韓国「ゾンビPC防止法」審議状況 第2回「支持者と反対者」 | ScanNetSecurity
2026.01.03(土)

韓国「ゾンビPC防止法」審議状況 第2回「支持者と反対者」

アンチウイルス(ソフト)企業が最大の受恵者になると予想され、実際に悪性プログラムの拡散防止などに関する法律案(以下、ゾンビPC 防止法)を支持するところも殆どアンチウイルス(ソフト)及び情報保護ソリューション企業であることが分かる。

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ボットネットの規制やシャットダウンは、国によってそれぞれ独自の方法で行われており、政府や司法、企業、業界団体などがさまざまなアプローチを採っている。日本では、総務省と経済産業省の共同事業として2006年から約5年間、サイバークリーンセンターによる情報収集と対策が実施された。本稿では、一昨年から韓国国会で議論されている「悪性プログラムの拡散防止などに関する法律案」通称ゾンビPC防止法に関して、現状確認と問題点の整理を行う。


2.本「ゾンビPC 防止法」が発議された経緯

(悪性プログラムの拡散防止などに関する法律案に記載された提案理由)「近年のパソコン、携帯端末、スマットフォンなどの多様な情報処理装置を通していつ、どこでもインターネットに接続できるIT 環境が構築されながら一般使用者のPC を対象に悪性プログラムが拡散し増大し続けている。特に、悪性プログラムに感染されたいわゆる「ゾンビPC」がDDoS(分散サービス拒否)攻撃などに悪用されていて一般使用者のPC を保護できる法体系の確立が必要である。しかし、現行情報保護法制はネットワーク(網)又は情報通信基盤の保護を重点にしていて使用者のPC 保護及び実効性がある侵害事故の予防、対応に限界がある。使用者のPC が悪性プログラムに感染された場合、該当使用者に感染事実と駆除方法を知らせて対応を支援する根本的な施策が必要であり、悪性プログラムの感染予防のためアンチウイルス(ソフト)などのセキュリティプログラムの利用を活性化してインターネット掲示板等を通して流布、拡散される悪性プログラムを削除するなどの措置が必要である。又は一定水準以上の重大な侵害事故の発生時、被害拡散を最小化できる実効性のある緊急対応措置が確保されなければならない社会的なニーズがある。この緒事情を踏まえた上でセキュリティプログラムの利用、普及活性化、Web サイトに隠匿された悪性プログラムの削除、悪性プログラムの感染PC の駆除支援、深刻な侵害事故発生時、実効性のある対応体系の確立など使用者PC のセキュリティ強化のための新たな立法を提案するのである。」

3. 本「ゾンビPC 防止法」が施行された場合、韓国経済に及ぼす影響

初期施行時には多くの反対が予想されるが、実際に定着するかどうかが一番重要なポイントになると思う。 既に施行中である個人情報保護法も予想より実効定着が遅れている。主な理由は、企業の情報保護ソリューション構築の費用負担が増えることによる消極的姿勢である。このような状況を勘案すると本「ゾンビPC 防止法」が成立し、施行しても経済に及ぼす影響はあまり無いと予想される。

4. 本「ゾンビPC 防止法」が施行された場合、韓国企業に及ぼす影響

アンチウイルス(ソフト)企業が最大の受恵者になると予想され、実際に悪性プログラムの拡散防止などに関する法律案(以下、ゾンビPC 防止法)を支持するところも殆どアンチウイルス(ソフト)及び情報保護ソリューション企業であることが分かる。反面ISP のようなインターネット提供事業者の場合、設備の拡充等による追加負担が予想される。企業のゾンビPC 防止ソリューション構築に対する義務規定は無いが、ゾンビPC による攻撃の発生元であると確認された際は、インターネット接続制限などが実施されるので、公共機関、企業に至って対策が必要となり、ゾンビPC 防止ソリューションの需要が増えると予想される。

5. 本「ゾンビPC 防止法」を支持する代表的人物は誰か? 支持する内容及び理由は何なのか?

代表的な支持団体: ハンナラ党、韓国放送通信委員会、韓国インターネット振興院(KISA)

代表的支持者: 法案発議者であるハンナラ党のハン ソンキョ議員

支持事由:悪性プログラムなどから使用者のPCを保護して侵害事故を防止することにより情報通信網を安全に利用できる環境を助成してDdoS 攻撃等から公共性の高いインターネット網を保護するために必要な措置である。

6. 本「ゾンビPC 防止法」を反対する代表的人物は誰なのか? 反対する内容及び理由は何なのか?

代表的反対団体: 民主党などの野党、グリーン消費者連帯など市民団体

代表的反対者: 民主党のアン ジョンサン首席専門委員

反対事由:放通委は深刻なDDos 攻撃発生時、インターネットサービス事業者などを通したインターネットアドレスの遮断、情報通信網接続制限などの措置に対する全ての権限を持ち、国家が国の安保という抽象的な概念を前面に出して個人の権利だけではなくさらに企業の権利も侵害できる余地がある。

(Chang-Wook Park)

著者略歴:PIOLINK, Inc. Japan Country Manager

《ScanNetSecurity》

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