保護者のインターネットリテラシーは年代が増すごとに低下する傾向
インターネットリテラシーは、子どもの年齢が上がるにつれて高まる一方、保護者の場合は年代が増すごとに低下する傾向にあることが、安心ネットづくり促進協議会のILAS検討作業部会による調査結果からわかった。
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ILAS(Internet Literacy Assessment indicator for Students、アイラス)とは、総務省が策定したインターネットリテラシー指標。インターネット上のリスクに対応するため、すべての青少年の習得が望まれる能力を定めている。
同部会では、ILASが定義する7項目のリテラシー分類をもとにテストと解説集を開発。全国の小中学生、高校生1,434人と保護者2,027人を対象にインターネットリテラシー実態調査を実施し、3月31日に結果を最終報告書として公開した。
リテラシーテストの正答率は、小学生75.4%、中学生77.3%、高校生83.1%、保護者は20代95.5%、30代91.9%、40代91.5%、50代90.8%、60歳以上89.1%。青少年よりも保護者全般の方が高かったが、青少年は年齢が増すにつれて正答率が上がるのに対して、保護者は年代が増すごとに正答率が下がる傾向にあった。
学校や研修会などで「ネットモラルを学んだ経験がある」のは、青少年70.3%、保護者88.7%。啓発教育経験がある人の方が、リテラシーテストの正答率は高く、青少年では8.5ポイント、保護者では4ポイントの差が出た。
調査結果から、同部会では「青少年は知識や心得の習得よりも利用が先行し、保護者は青少年よりも知識や心得は持っているもののサービスの理解と実際の利用が不足している」と分析。「青少年の育成に影響を持つ保護者らに対し、最新の知識やリスクの啓発に加え、『インターネットの利用を通して理解することの勧め』を行うことが、リテラシーを高める有効なアプローチの一つ」と結論づけている。
インターネットリテラシー、子どもは年齢で上昇…保護者は年代とともに下降
《奥山直美@リセマム》
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