これからのセキュリティは共通言語による「情報主導型」であるべき(EMCジャパン)
EMCジャパンRSA事業本部は、同社米本社のCTOであるマシュー・マコーマック氏による「昨今のサイバー脅威に対抗する米国政府の考え方」を発表した。
脆弱性と脅威
脅威動向

また、米国が直面している問題として、人材について説明した。特に、ツールに依存している企業は人のことを忘れがちであり、人材を揃えずに機器を購入しようとするケースが目立つという。文書化されたプロセスがないため、セキュリティの運用も人に依存している状況で、常に人材が不足している。政府は大学と協力して人材を育成しようとしているが、一方で現在のセキュリティに必要なのは必ずしも技術者ではないことも挙げた。
マシュー氏は米政府の取り組みとして、「CyberSecurity Framework(CSF)」を紹介した。これは国全体に対するセキュリティの基本であり、セキュリティの運用が難しい中小企業においても「OK」というレベルを定めるものとしている。旧版である「800シリーズ」に対し、万一の対応についても情報を提供していることが特長。ただ、そのためには情報共有が重要になるが、それを推進するために官民連携の「National Cybersecurity and Communications Integration Center(NCCIC)」を立ち上げ、第一歩として成功しているとした。
今後は、CSFをベースにコミュニティをひとつにまとめていきたいとマシュー氏は抱負を語った。ひとつの脅威に対しベンダごとに名前を付ける現状より、共通言語があれば傾向も見えやすくなる。RSAでも製品・サービスはすべてCSFにひも付けており、その基本的な概念は「情報主導型」であるとした。共通言語によるセキュリティ情報の一元化により、セキュリティ対策機器のトレーニングやチューニングの負荷を大幅に軽減できるとした。
《吉澤 亨史( Kouji Yoshizawa )》
関連記事
この記事の写真
/
関連リンク
特集
アクセスランキング
-
エムケイシステムにランサムウェア攻撃、グループの業績に及ぼす影響については精査中
-
ランサムウェア身代金支払率、日本は国際トレンドに逆行 ~ プルーフポイント年次レポート
-
エーザイグループにランサムウェア攻撃、一部サーバが暗号化
-
HP 社 PC のファームウェアに Windows OS での管理者権限への昇格が可能となるメモリアクセス不備の脆弱性(Scan Tech Report)
-
原因は推測可能なVPNのパスワード、村本建設へのランサムウェア攻撃
-
非エンジニアの文系ライターが挑んだSecuriST(セキュリスト)認定ネットワーク脆弱性診断士受験記 [前編] もしもう一度ゼロからやり直せるならPR
-
業務委託先のサーバに不正アクセス、日本製紙クレシア「ポイズ 選べる試供品プレゼントキャンペーン」中止
-
電通国際情報サービスに不正アクセス、一般ユーザー権限でのデータ参照の形跡
-
トヨタ自動車でのクラウド誤設定による情報漏えい、調査結果を公表
-
「日本で撮影されたUFO」写真からサポート詐欺に誘導 トレンドマイクロ注意喚起