情報侵害の早期検知体制は、大規模組織においてもまだまだ不十分(EMCジャパン) | ScanNetSecurity
2024.04.25(木)

情報侵害の早期検知体制は、大規模組織においてもまだまだ不十分(EMCジャパン)

EMCジャパンRSA事業本部は、情報侵害の早期対策に関する最新の調査結果を発表した。

脆弱性と脅威 脅威動向
同社RSA事業本部 マーケティング部の部長である水村明博氏
同社RSA事業本部 マーケティング部の部長である水村明博氏 全 5 枚 拡大写真
EMCジャパン株式会社RSA事業本部は4月15日、情報侵害の早期対策に関する最新の調査結果を発表した。この調査は米EMCのセキュリティ事業本部であるRSAが世界規模で実施したもので、Global 1000企業のトップ・セキュリティ・リーダーが参画している「ビジネス革新のためのセキュリティ協議会(Security for Business Innovation Council:SBIC)」メンバー10名の回答と、世界30ヵ国の大企業170名のセキュリティ関係者から得た回答を比較対照したものとなっている。

調査では、情報侵害の早期対策について「インシデント・レスポンス」「コンテンツ・インテリジェンス」「分析インテリジェンス」「脅威インテリジェンス」の4分野の評価に注目している。インシデント・レスポンスでは、SBICの100%が企業公認のインシデント・レスポンス体制を備えていることに対し、大規模組織では30%にとどまり、そのうちの57%はインシデントレスポンス体制の更新や見直しを実施していないことが明らかになった。

コンテンツ・インテリジェンスでは、SBICの100%が「疑わしい活動に対する警告処理を一元管理するためのセキュリティ専用のログ収集と相関分析手法を備えている」ことに対し、大規模組織では45%と、脅威の認識への甘さが露呈した。分析インテリジェンスでは、ホストのフォレンジックはSBICが83%、大規模組織が72%とともに高い比率となったが、ネットワークフォレンジックでは83%と42%と、大規模組織では浸透が低かった。脅威インテリジェンスでは、脆弱性管理プログラムで100%と60%、外部ソースのデータで脅威インテリジェンスを補っているのは100%と43%であった。

こうした現状に対しEMCでは、フルタイムで従事しているセキュリティ要員が「セキュリティシステム」「インテリジェンスとインシデント」「セキュリティデータと分析」の3つの領域の中からマネージメント上の役割を明確に定義すべきとしている。また、ITセキュリティとサイバーセキュリティは求める能力が異なっているということを理解すること、セキュリティ・インシデントをどのように優先順位付けし、追跡するかによって、早期検知体制構築の効果に劇的な影響をもたらし得ることなどを挙げている。

《吉澤 亨史( Kouji Yoshizawa )》

関連記事

この記事の写真

/

特集

PageTop

アクセスランキング

  1. 訃報:セキュリティの草分けロス・アンダーソン氏 死去 67 歳、何回分かの生涯に匹敵する業績

    訃報:セキュリティの草分けロス・アンダーソン氏 死去 67 歳、何回分かの生涯に匹敵する業績

  2. 社員のセキュリティ意欲高める施策とは? 罰則は逆効果 ~ プルーフポイント「2024 State of the Phish」日本語版公表

    社員のセキュリティ意欲高める施策とは? 罰則は逆効果 ~ プルーフポイント「2024 State of the Phish」日本語版公表

  3. LINEヤフー委託先への不正アクセス、報告書を受け 2 度目の行政指導

    LINEヤフー委託先への不正アクセス、報告書を受け 2 度目の行政指導

  4. 今日もどこかで情報漏えい 第23回「2024年3月の情報漏えい」なめるなという決意 ここまでやるという矜恃

    今日もどこかで情報漏えい 第23回「2024年3月の情報漏えい」なめるなという決意 ここまでやるという矜恃

  5. スペシャリスト集結! マネーフォワード・ラック・富士ソフト・電通総研から学ぶ、脆弱性診断内製化の成功法則とは? AeyeScan 導入企業との公開対談

    スペシャリスト集結! マネーフォワード・ラック・富士ソフト・電通総研から学ぶ、脆弱性診断内製化の成功法則とは? AeyeScan 導入企業との公開対談PR

  6. タカラベルモントの海外向けウェブサイトのサーバがフィッシングメール送信の踏み台に

    タカラベルモントの海外向けウェブサイトのサーバがフィッシングメール送信の踏み台に

  7. 情報処理学会、高等学校情報科の全教科書の用語リスト公開

    情報処理学会、高等学校情報科の全教科書の用語リスト公開

  8. Acompany で 4 件の Google フォーム誤設定、最大 164 名の個人情報が閲覧可能に

    Acompany で 4 件の Google フォーム誤設定、最大 164 名の個人情報が閲覧可能に

  9. 国内カード発行会社のドメイン毎の DMARC 設定率 36.2%「キャッシュレスセキュリティレポート(2023年10-12月版)」公表

    国内カード発行会社のドメイン毎の DMARC 設定率 36.2%「キャッシュレスセキュリティレポート(2023年10-12月版)」公表

  10. LINE client for iOS にサーバ証明書の検証不備の脆弱性

    LINE client for iOS にサーバ証明書の検証不備の脆弱性

ランキングをもっと見る