工藤伸治のセキュリティ事件簿 シーズン 7 「アリバイの通信密室」 第9回「勤怠簿」 | ScanNetSecurity
2026.09.09(水)

工藤伸治のセキュリティ事件簿 シーズン 7 「アリバイの通信密室」 第9回「勤怠簿」

「私もそう思います。差し出がましいことを申し上げるようで恐縮ですが、吉沢は容疑者からはずしてよいのではないでしょうか?」

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サムズブロスはサムズワンズの隣の駅にあった。どうせなら歩いて行ける場所にすればいいのに、と思いながら向かう。

山岡が連絡しておいてくれたおかげで、受付で名前を告げるとすぐに総務の人間が出てきてくれた。

「柏木と申します。事情はうかがっておりますので、なんなりとお申し付けください」

まだ新入りっぽいスーツ姿のガキだったが、さすがに総務だけあって礼儀正しい。

「どうも、工藤です」

オレが社会人にあるまじき挨拶を返しても柏木は嫌な顔をせず、会議室に通してくれた。小さな会社だが、よく教育されてる。

「サムズワンズの山岡さんに言われて、吉沢の勤怠記録はプリントアウトしてきました」

オレが腰掛けると、柏木はすぐに数枚の紙を差し出した。社内勤怠管理システムから出力した吉沢の記録だ。ていねいなことに、犯行時刻の箇所にマーカーが引いてある。確かにいたんだろう。

《一田 和樹》

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