Nginxの脆弱性を悪用する攻撃準備中か、ダークウェブの観察で判明(Antuit)
Antuitは、同社のサイバーセキュリティ対策事業「CYFIRMA(サイファーマ)」より、Nginxの脆弱性(CVE-2018-16843、CVE-2018-16844、CVE-2018-16845)を悪用した攻撃に関する注意喚起レポートを発表した。
脆弱性と脅威
脅威動向
Nginxは、Webサービス、リバースプロキシ、キャッシュ、ロードバランシング、メディアストリーミングなどに使用されるオープンソースのツール。パフォーマンスと安定性を目的とするWebサーバとして開発されており、メール(IMAP、POP3およびSMTP)のプロキシサーバとしての機能、HTTP、TCPおよびUDPサーバ用のリバースプロキシおよびロードバランサとしての機能も搭載する。
上記の3つの脆弱性は、すでに修正パッチが提供されているが、パッチが非適用の場合にはDoS攻撃や情報搾取などを実行される可能性がある。CTIによると、ダークウェブやハッカーフォーラムにおいて、Nginxの脆弱性に関する会話が急激に増加していることを観察しており、11月8日から「NGUME」と「LongNeck」の2つのキャンペーンを実施しているとみている。
キャンペーンの実施目的は、脆弱性の影響を受けやすいNginx Webサーバ・リバースプロキシを特定するためのグローバルな偵察であり、米国、英国、日本、東南アジア諸国などが標的となる可能性がある。犯罪者はNginxの脆弱性を悪用する「Face-NGINX」というエクスプロイトを設計しており、これはWebサイトの速度の低下や、完全なフリーズが可能になるという。キャンペーンの動機は風評被害とサービスの中断であるとしている。
《吉澤 亨史( Kouji Yoshizawa )》
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