Dockerコンテナなどに使用される「runc」にコマンド実行の脆弱性(JPCERT/CC)
JPCERT/CCは、「runc の権限昇格の脆弱性(CVE-2019-5736)に関する注意喚起」を発表した。
脆弱性と脅威
セキュリティホール・脆弱性
対象となるバージョンは次の通り。
・runc 1.0-rc6 およびそれ以前
また、各ディストリビューションにおける本脆弱性の影響を受けるバージョンは次の通り。
・Ubuntu : runc 1.0.0~rc4+dfsg1-6ubuntu0.18.10.1 より前のバージョン
・Debian : runc 0.1.1+dfsg1-2 より前のバージョン
・RedHat Enterprise Linux : docker 1.13.1-91.git07f3374.el7 より前のバージョン
・Amazon Linux : docker 18.06.1ce-7.25.amzn1.x86_64 より前のバージョン
・Docker : docker 18.09.2 より前のバージョン
なお、上記以外のruncを使用するコンテナサービスも該当する可能性がある。
本脆弱性を悪用して細工したコンテナをユーザが実行した場合、ホスト上のruncバイナリが意図せず上書きされる。結果として、コンテナが起動しているホスト上で、root権限でコマンドが実行される恐れがある。JPCERT/CCでは、本脆弱性に関する実証コードが公開されていることを確認したため、注意喚起として改めて発行した。また対策として、各ディストリビュータの情報を参考に対策済みのバージョンに更新するよう呼びかけている。
《吉澤 亨史( Kouji Yoshizawa )》