変更不可の個人情報、SNS投稿による生体情報漏えいの危険性 | ScanNetSecurity
2023.04.01(土)

変更不可の個人情報、SNS投稿による生体情報漏えいの危険性

トレンドマイクロは「一度漏えいした情報は一生悪用される:ソーシャルメディアにおける生体情報漏えいが将来に及ぼす影響」と題する記事を公開した。

脆弱性と脅威 脅威動向
メイクアップビデオから生体情報が漏えいする例
メイクアップビデオから生体情報が漏えいする例 全 2 枚 拡大写真

 トレンドマイクロ株式会社は3月8日、「一度漏えいした情報は一生悪用される:ソーシャルメディアにおける生体情報漏えいが将来に及ぼす影響」と題する記事を公開した。オンラインに投稿される画像、動画、音声などの生体情報がサイバー犯罪者に悪用される危険性を指摘している。

 ソーシャルメディアへの投稿は、いまや個人だけでなく世界中の企業や公共機関にとっても利用価値のある存在となっている。一方で、画像や動画を撮影するデバイスの進化により、意図せずして機微な生体情報を公開してしまうことになる。一度公開してしまうと変更不可能な個人情報をばらまいてしまっている可能性がある。

 記事では典型的なソーシャルメディアの投稿を再現し、露出する可能性のある個人情報を紹介している。

・メイクアップビデオ:顔、虹彩、耳、声、手のひらなど
・著名人の動画:個人の顔面、耳の形、指紋など
・まばたきしないチャレンジ動画:目の形、虹彩、顔の特徴など
・ハンドアート:指紋、掌形の特徴など

 これらの機微な生体情報が悪用されてしまうと、生体認証に使用してアカウントを乗っ取られたり、デバイスのロックを解除されたり、本人になりすまして詐欺が行われたり、ディープフェイクの人物像を作成されるといった被害を受ける可能性がある。また、ビジネスメール詐欺や不正活動のためのアカウントの作成などの悪用も考えられる。

 記事では対策として、機密性の高いアカウントの認証や確認には、指紋など画像や動画に露出しづらい生体情報を使用することを勧めている。また、ネットに公開する画像の解像度を下げたり、特定箇所や特徴をぼかしたりすることも有効としている。

《吉澤 亨史( Kouji Yoshizawa )》

関連記事

この記事の写真

/

特集

PageTop

アクセスランキング

  1. インターネットアーカイブが出版大手四社に破壊される可能性

    インターネットアーカイブが出版大手四社に破壊される可能性

  2. 家庭用ルーターの不正利用に注意喚起、設定変更されていないか定期確認を

    家庭用ルーターの不正利用に注意喚起、設定変更されていないか定期確認を

  3. ACCS、「海賊版ソフト利用に法的措置」メールに注意呼びかけ

    ACCS、「海賊版ソフト利用に法的措置」メールに注意呼びかけ

  4. ランサムウェア感染を隠蔽したソフトウェア企業の末路

    ランサムウェア感染を隠蔽したソフトウェア企業の末路

  5. サイバーセキュリティ経営ガイドラインVer3.0公開、求められる視野の拡大

    サイバーセキュリティ経営ガイドラインVer3.0公開、求められる視野の拡大

  6. セキュリティ企業七つの大罪 ~ Rapid7 古川勝也 ヘラジカの教え

    セキュリティ企業七つの大罪 ~ Rapid7 古川勝也 ヘラジカの教えPR

  7. 日本シーサート協議会「サイバー攻撃演習/訓練実施マニュアル」と解説動画公開

    日本シーサート協議会「サイバー攻撃演習/訓練実施マニュアル」と解説動画公開

  8. サイバー犯罪者が悪用する9つの認知バイアス

    サイバー犯罪者が悪用する9つの認知バイアス

  9. 「住友不動産のふれあい+S」で3,378件の個人情報がアクセス可能な状態に

    「住友不動産のふれあい+S」で3,378件の個人情報がアクセス可能な状態に

  10. ビジネスの事情把握し絶妙なラインでセキュリティを提案し実行 ~ CAのセキュリティ選任組織

    ビジネスの事情把握し絶妙なラインでセキュリティを提案し実行 ~ CAのセキュリティ選任組織

ランキングをもっと見る