神奈川県川崎市は10月28日、市立中学校での個人情報の紛失について発表した。
これは10月10日に、川崎市立中原中学校に勤務する教員(40歳代、男性)が、自宅で業務を行うために生徒の個人情報を保存・記載した可搬媒体(ハードディスク及びUSB)とGIGA端末及び関係書類(紙媒体)が入ったリュックを紛失したというもの。
当該教員は、帰宅途中に同僚と飲食店に立ち寄り飲酒をした後、翌11日未明に同市中原区内路上で寝てしまい、午前3時過ぎに通行人の通報で出勤した警察官に起こされた際にリュックの紛失を覚知したとのこと。現時点で紛失したリュックは発見されていない。
紛失した個人情報は現勤務校分212名(約1,110件以上)、前勤務校(川崎市立日吉中学校)分194名(約660件以上)で、その内訳は下記の通り。
【可搬媒体(ハードディスク及びUSB)】
・現勤務校分(令和6年度~7年度)
担当していた生徒の学習状況にかかる所見及び評価(1学年2年分):約320件
令和7年度2学年前期の担当科目の中間テスト生徒解答用紙(1種類1学年分):約160件
令和6年度の担任学級の生徒氏名及び住所(1クラス分):約40件
担当部活動に所属する生徒氏名(2年分):約100件
発行した学級通信用の原稿及び生徒活動写真(一部に生徒氏名を記載):件数不明
・前勤務校分(令和3年度~5年度)
担当していた生徒の学習状況にかかる所見及び評価(1学年3年分):約360件
令和3年度宿泊行事に関するしおり(一部に生徒氏名を記載)(1学年分):約120件
令和3~5年度に担当していた部活動に所属する生徒氏名及び連絡先(3年分):約180件
登校支援シート(生徒氏名・登校時の様子を記載)(3人分):約3件
発行した学級通信用の原稿及び生徒活動写真(一部に生徒氏名を記載):件数不明
【GIGA端末】
・現勤務校分(令和6年度~7年度)
画像ファイル(令和7年度の授業風景):約20件
【関係書類(紙媒体)】
・現勤務校分(令和7年度)
前期の担当していた教科の観点別評価一覧表(1学年分):約160件
学習用プリント(4種類)(生徒氏名を記載):約310件
行事用プリント(1種類)(生徒氏名を記載):約30件
当該教員の現勤務校では10月24日に保護者会を実施し、謝罪と経緯の説明を行っており、同日以降、保護者会欠席者に文書で連絡を行っている。
同市では、個人情報を扱う場合は原則校内の指定されたPCで作業することや、個人情報を含む紙媒体は原則校外には持ち出さず、また、持ち出し可能な個人情報を含む文書を校外に持ち出すときは管理職の許可を得ることとしていたが、当該教諭は管理職への届け出を行わず個人情報が含まれる可搬媒体等を持ち帰り、さらに帰宅途中に飲酒するなど個人情報を取り扱っているという意識の欠如と個人情報の管理が徹底できていなかったことが主な原因であったとしている。
同市では今後、個人情報等の重要性が高い情報に関しては、職員室に設置されている校務用ストレージを利用することを徹底し、USBメモリ等の可搬媒体の削減を行うとのこと。

