USBワーム活動を行う「CryptoLocker」の新たな亜種(トレンドマイクロ) | ScanNetSecurity
2024.05.09(木)

USBワーム活動を行う「CryptoLocker」の新たな亜種(トレンドマイクロ)

トレンドマイクロは、TrendLabsが注目すべき特徴を備えた「CryptoLocker」の亜種を12月21日に確認したと同社ブログで発表した。

脆弱性と脅威 脅威動向
トレンドマイクロのブログ記事
トレンドマイクロのブログ記事 全 1 枚 拡大写真
トレンドマイクロ株式会社は12月26日、TrendLabsが注目すべき特徴を備えた「CryptoLocker」の亜種を12月21日に確認したと同社ブログで発表した。問題の亜種は、同社の製品では「WORM_CRILOCK.A」として検出されるもので、解析の結果、リムーバブルドライブを媒介に拡散する「USBワーム」活動を行うことを確認したという。同社では、今回更新されたワーム活動機能がこれまでの「CryptoLocker」の亜種にはみられなかったことから、非常に重要であるとしている。この機能により、容易に拡散することを示唆している。

この新たな「CryptoLocker」は、ワーム活動の手法以外にも既知の亜種に対して多くの相違点を持っている。この「CryptoLocker」は、PCへの侵入方法として「UPATRE」のようなダウンローダに依存する代わりに、P2Pのファイル共有サイト上でAdobe PhotoshopやMicrosoft Officeといったさまざまなソフトウェアの「アクティベータ」を装って配布されていた。これにより、サイバー犯罪者たちはスパムメールを作成および送信する必要がなく、容易に複数のPCに感染させることが可能となる。

さらなる解析の結果、接続先ドメイン名を生成する仕組みである「Domain Generation Algorithm(DGA)」を利用せず、C&Cサーバを利用することが明らかになった。ハードコード化されたURLは、関連する不正なURLの検出およびブロックを容易する。一方、DGAは、大量の潜在的なドメインを利用するため、サイバー犯罪者は検出を回避することが可能になる。つまりこの新たな「CryptoLocker」は、いまだ改良の過程にあることを意味しており、次の亜種は、DGAの機能を備えるであろうと予想している。

《吉澤 亨史( Kouji Yoshizawa )》

関連記事

この記事の写真

/

特集

PageTop

アクセスランキング

  1. 護衛艦いなづまの艦長、資格のない隊員を特定秘密取扱職員に指名し懲戒処分

    護衛艦いなづまの艦長、資格のない隊員を特定秘密取扱職員に指名し懲戒処分

  2. ランサムウェア被害の原因はスターティア社の UTM テストアカウント削除忘れ

    ランサムウェア被害の原因はスターティア社の UTM テストアカウント削除忘れ

  3. 「意識を高揚させよう」と思い特定秘密の情報を知るべき立場にない隊員に特定秘密の情報を漏らす、懲戒処分に

    「意識を高揚させよう」と思い特定秘密の情報を知るべき立場にない隊員に特定秘密の情報を漏らす、懲戒処分に

  4. メディキットホームページに不正アクセス、閲覧障害に

    メディキットホームページに不正アクセス、閲覧障害に

  5. 社内不正 1位 情報持ち出し・2位 横領・3位 労働問題 ~ 被害企業 230 社調査

    社内不正 1位 情報持ち出し・2位 横領・3位 労働問題 ~ 被害企業 230 社調査

  6. 今日もどこかで情報漏えい 第23回「2024年3月の情報漏えい」なめるなという決意 ここまでやるという矜恃

    今日もどこかで情報漏えい 第23回「2024年3月の情報漏えい」なめるなという決意 ここまでやるという矜恃

  7. 日本は悪意ある内部犯行による漏えいが 12 ヶ国中最小、プルーフポイント「Data Loss Landscape 2024(情報漏えいの全容)」日本語版

    日本は悪意ある内部犯行による漏えいが 12 ヶ国中最小、プルーフポイント「Data Loss Landscape 2024(情報漏えいの全容)」日本語版

  8. セガ フェイブが利用するメールシステムに不正アクセス、フェニックスリゾートが保有する個人情報が流出した可能性

    セガ フェイブが利用するメールシステムに不正アクセス、フェニックスリゾートが保有する個人情報が流出した可能性

  9. Proofpoint Blog 36回「身代金を払わない結果 日本のランサムウェア感染率減少? 感染率と身代金支払率 15 ヶ国調査 2024」

    Proofpoint Blog 36回「身代金を払わない結果 日本のランサムウェア感染率減少? 感染率と身代金支払率 15 ヶ国調査 2024」

  10. 信和へのランサムウェア攻撃で窃取された情報、ロックビット摘発を受けてリークサイトが閉鎖

    信和へのランサムウェア攻撃で窃取された情報、ロックビット摘発を受けてリークサイトが閉鎖

ランキングをもっと見る