[Black Hat USA 2014 レポート] デロイト トーマツ のサイバーセキュリティチームの実態(1)デロイト アルゼンチンチームの新人育成と海外展開 | ScanNetSecurity
2024.04.16(火)

[Black Hat USA 2014 レポート] デロイト トーマツ のサイバーセキュリティチームの実態(1)デロイト アルゼンチンチームの新人育成と海外展開

「カナダ、オーストラリア、US、ルクセンブルク、デンマーク、ブラジル。世界のあらゆる国のデロイトのサイバーセキュリティチームと協同して仕事をしている。」

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デロイト アルゼンチン サイバーセキュリティチーム ディレクター Luciano Martins 氏
デロイト アルゼンチン サイバーセキュリティチーム ディレクター Luciano Martins 氏 全 3 枚 拡大写真
「4大会計事務所」のひとつとして、日本国内では監査法人としてその名を知られるデロイト トーマツ グループが、国毎にサイバーセキュリティチームを擁し、SOC 運営やマルウェア解析、C&C サーバの調査までを行っていることは、まだあまり知られていない。

8月に米ラスベガスで開催された Black Hat USA 2014 に集結した、デロイト トーマツ グループの、海外及び日本のサイバーセキュリティチームに取材し、共通点や、国別に異なる個性を明らかにする。

DEF CON 22 の会場でインタビューの機会を得た デロイト アルゼンチン サイバーセキュリティチーム ディレクター Luciano Martins 氏に話を聞いた。



――あなたはサイバーセキュリティチームの責任者として、どんな仕事をしていますか?

ソースコード監査やペネトレーションテスト、Wifiの安全調査などの業務の他に、チームメンバーのリクルートから教育訓練まで担当しているよ。ペネトレーションテストでは、ネットワークや Web アプリケーションはもちろん、ATM や POS システムに対するテストも最近は多いね。


――アルゼンチンチームは、US や、カナダなど、海外のデロイト トーマツ グループのサイバーチームとの仕事が多いと聞きました。国内だけにとどまらず、海外で活躍する理由はなんですか。

それは私のチームがすごく優秀だから(笑)。それ以外にも理由があって、アルゼンチンはまだサイバーセキュリティの需要が大きい市場ではないから、私たちが成長するために、積極的に海外に出て行かなければならないんだ。アルゼンチンでは、まだ比較的単純な攻撃が多いからね。カナダ、オーストラリア、US、ルクセンブルク、デンマーク、ブラジル。世界のあらゆる国のデロイトのサイバーセキュリティチームと協同して仕事をしている。もっともっと、アルゼンチンチームをグローバルな存在にして、大きく、有名にしたいね。


――そのために、あなたが Black Hat で講演するような機会を得たいと思いますか?

そういうつもりはなくて、私個人としては Black Hat で講演するようなテーマもネットワークも持っているつもりだけれど、それをやっても、私一人が目立つだけでつまらない。あくまで、チームとして目立つこと、成長することが私の目的だ。組織・チームは、個人よりもずっと長い年月仕事ができるし、それだけ世の中にいい影響を与えることができるからね。


――そんな組織作りのために一番大事にしている点は何ですか?

チームのメンバーに、いかに情熱、パッションを持ってもらうかに限ると思っている。変化の早いセキュリティの世界で、新しい知識を吸収し続けるためには、それが一番大事だと思うよ。


――日本では、セキュリティ技術者が圧倒的に不足しています。若い世代にパッションを持って成長してもらうために、あなたが心がけていることを教えてくれませんか?

若い世代の人が、どう解析したらいいかわからないような攻撃に出くわしたり、自分より遥かに能力の高い人と一緒に仕事をするときに、あきらめたり、やる気をなくしたりするのはよくあることだよ。でも、反対に彼らは新しいことの吸収も早い。私がやっているのは、こういう Black Hat のような国際会議に若手をどんどん連れてきて、最新のエキサイティングな事例をたくさん触れさせて、見せることだと思っている。


――ありがとうございました。日本を訪れて東京チームと協働するときにまた取材させてください。

《高橋 潤哉( Junya Takahashi )》

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