工藤伸治のセキュリティ事件簿 シーズン5 「ワンタイムアタッカー」 第22回「ほんの手数料がわり」 | ScanNetSecurity
2025.12.04(木)

工藤伸治のセキュリティ事件簿 シーズン5 「ワンタイムアタッカー」 第22回「ほんの手数料がわり」

吹田が大声を上げた。 「つじつまが合わない。犯人は、二回オレの口座から金を送金している。一回目の送金の時、ニセモノはトークンを持っていなかった。トークンなしでどうやって送金したんだ? それに送金を二回に分ける理由がない」

特集 フィクション
>>第 1 回から読む

片山から話を聞いた範囲では、社長室の外からトークンをのぞき見できるかどうか実験したというから、その時にニセモノの真田がトークンをすり替えたのだろう。ニセモノのトークンだからアクセスできないのも当然だ。

「し…しかし、そんな……ええっ」片山が素っ頓狂な声を上げた。

「あんたらは、ニセモノの話を真に受けて、改竄事件はトークンをのぞき見するための視界確保だって信じたみたいだけどさ、おかしいだろ。ちょっとした偶然で視界が邪魔されることもある。そんな不確かなことはしないだろ」

オレは重ねて言った。

「いや……し、しかし」片山は、なおも質問しようとする。

《一田和樹》

関連記事

特集

PageTop

アクセスランキング

  1. 流出先での営業活動が新たに判明 ~ ヤマト運輸の元従業員による情報不正持ち出し

    流出先での営業活動が新たに判明 ~ ヤマト運輸の元従業員による情報不正持ち出し

  2. テインへのランサムウェア攻撃、子会社の中国工場が 1 週間稼働を停止

    テインへのランサムウェア攻撃、子会社の中国工場が 1 週間稼働を停止

  3. 期限警告 金銭未払 情報漏えい ~ 迷惑メール「HEUR:Hoax.Script.Scaremail」が受信者を脅しそして煽る 5 つのパターン

    期限警告 金銭未払 情報漏えい ~ 迷惑メール「HEUR:Hoax.Script.Scaremail」が受信者を脅しそして煽る 5 つのパターン

  4. コバヤシのサーバに不正アクセス、情報が窃取されるもデータ暗号化や業務停止に至る被害は無し

    コバヤシのサーバに不正アクセス、情報が窃取されるもデータ暗号化や業務停止に至る被害は無し

  5. ゼネラルで使用していた端末から情報流出の可能性

    ゼネラルで使用していた端末から情報流出の可能性

ランキングをもっと見る
PageTop