特定非営利活動法人日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)は7月29日、社会活動部会主催の勉強会「証券口座乗っ取り問題」の講演資料を公開した。JNSAフェローの松本泰氏が講演を行っている。
同勉強会では、約20年前に日本で大きな社会問題となった「偽造キャッシュカード問題」の経緯と教訓を振り返りながら、現在の「証券口座乗っ取り問題」と比較し、オンラインサービスにおける認証システムの設計、利用者の責任、今後の法制度整備のあり方について考察している。また、被害が加速するフィッシング詐欺の進化と現状にも触れ、セキュリティ業界が果たすべき役割について議論している。
同資料ではまとめとして、約20年前の「偽造キャッシュカード問題」はサイバー犯罪という認識は無いかもしれないが、「証券口座乗っ取り問題」などのサイバー犯罪の構図と大きく変わらず、約20年前に行われた「偽造キャッシュカードスタディグループ」における議論、特に、金融機関の責任、利用者の責任、補償も含めた制度対応の議論はまさに「今」必要なのではないかと提起している。
