これからのセキュリティは共通言語による「情報主導型」であるべき(EMCジャパン) | ScanNetSecurity
2023.10.01(日)

これからのセキュリティは共通言語による「情報主導型」であるべき(EMCジャパン)

EMCジャパンRSA事業本部は、同社米本社のCTOであるマシュー・マコーマック氏による「昨今のサイバー脅威に対抗する米国政府の考え方」を発表した。

脆弱性と脅威 脅威動向
米本社のCTOであるマシュー・マコーマック氏
米本社のCTOであるマシュー・マコーマック氏 全 2 枚 拡大写真
EMCジャパン株式会社RSA事業本部は3月19日、同社米本社のCTOであるマシュー・マコーマック氏による「昨今のサイバー脅威に対抗する米国政府の考え方」を発表した。マシュー氏は「従来の(既知のものしか検知しない)セキュリティは受け身である」として、その理由に同社が2つの国から同時にサイバー攻撃を受けたときに使用されたマルウェアは、6時間前に作られた新種であったことを挙げた。一方で、最近では比較的シンプルなマルウェアで攻撃される企業も多く、幅広い対応が必要であるとした。同様に、IPを持つネット家電のリスクについても触れた。

また、米国が直面している問題として、人材について説明した。特に、ツールに依存している企業は人のことを忘れがちであり、人材を揃えずに機器を購入しようとするケースが目立つという。文書化されたプロセスがないため、セキュリティの運用も人に依存している状況で、常に人材が不足している。政府は大学と協力して人材を育成しようとしているが、一方で現在のセキュリティに必要なのは必ずしも技術者ではないことも挙げた。

マシュー氏は米政府の取り組みとして、「CyberSecurity Framework(CSF)」を紹介した。これは国全体に対するセキュリティの基本であり、セキュリティの運用が難しい中小企業においても「OK」というレベルを定めるものとしている。旧版である「800シリーズ」に対し、万一の対応についても情報を提供していることが特長。ただ、そのためには情報共有が重要になるが、それを推進するために官民連携の「National Cybersecurity and Communications Integration Center(NCCIC)」を立ち上げ、第一歩として成功しているとした。

今後は、CSFをベースにコミュニティをひとつにまとめていきたいとマシュー氏は抱負を語った。ひとつの脅威に対しベンダごとに名前を付ける現状より、共通言語があれば傾向も見えやすくなる。RSAでも製品・サービスはすべてCSFにひも付けており、その基本的な概念は「情報主導型」であるとした。共通言語によるセキュリティ情報の一元化により、セキュリティ対策機器のトレーニングやチューニングの負荷を大幅に軽減できるとした。

《吉澤 亨史( Kouji Yoshizawa )》

関連記事

この記事の写真

/

特集

PageTop

アクセスランキング

  1. 仕事旅⾏社のサーバに不正アクセス「日本警察が要求に従わない場合データ公開」

    仕事旅⾏社のサーバに不正アクセス「日本警察が要求に従わない場合データ公開」

  2. IPA 基準適合サービスリスト 脆弱性診断サービス 7 社追加

    IPA 基準適合サービスリスト 脆弱性診断サービス 7 社追加

  3. NHK放送センターに不正アクセス、従業者等個人情報漏えいの可能性を完全に否定することは難しい

    NHK放送センターに不正アクセス、従業者等個人情報漏えいの可能性を完全に否定することは難しい

  4. JR西日本グループの山陽SC開発のメールアカウントに不正アクセス、迷惑メール送信踏み台に

    JR西日本グループの山陽SC開発のメールアカウントに不正アクセス、迷惑メール送信踏み台に

  5. SB C&S運営の事業者向けECサイト「Mobile Solution Market」に不正アクセス

    SB C&S運営の事業者向けECサイト「Mobile Solution Market」に不正アクセス

  6. メガネスーパー運営企業の個人情報、法律上無効の可能性がある契約に基づき譲渡された店舗の POS 端末で検索した形跡

    メガネスーパー運営企業の個人情報、法律上無効の可能性がある契約に基づき譲渡された店舗の POS 端末で検索した形跡

  7. NICTの業務委託先 TBSグロウディアでノートPC紛失

    NICTの業務委託先 TBSグロウディアでノートPC紛失

  8. 日経BPを騙ったフィッシングメールに注意を呼びかけ

    日経BPを騙ったフィッシングメールに注意を呼びかけ

  9. NECと高専機構 “セキュ女子” が交流、CTF体験など実施

    NECと高専機構 “セキュ女子” が交流、CTF体験など実施

  10. 広告からサポート詐欺へ遷移、手口分析レポート公開

    広告からサポート詐欺へ遷移、手口分析レポート公開

ランキングをもっと見る